土曜の夜から日曜の夜まで

土曜の夜から日曜の朝まで


 土曜の夜から日曜の朝まで新文芸座トリュフォーのドワネル・シリーズ五作品を通して見る。昼間のSkypeの疲れか、少し恥ずかしくなるぐらいの反復が朝方まで続いたせいなのか、結局どの作品も少しずつ眠ってしまう。それでも、高校生の時から何度も見ているはずなのに記憶にないシーンにはっとする。なぜこんなにも憶えていないのだろうか、なぜあんなにもドワネルは繰り返すのだろうか。「大人はわかってくれない」から20年後の「逃げ去る恋」でのドワネルの寂しさ、所在のない様子にはただ悲しい気持ちになる。でも「夜霧の恋人たち」でのジャン=ピエール・レオーとクロード・ジャドはとても美しい。幕間で煙草を吸っているときに、いままで考えてきたこと、トリュフォーについてのこと、花の名前のこと、どれもつながりがあるような気がしてきたり。ま、同じ頭で考えているからそんなものなのでしょうね。


日曜の昼から月曜の手前まで


 知らない場所をふらふらと。花の名前を諳んじる。「ムラサキハナナ」とか。鳥がたくさんいる公園で鳥笛をこっそり鳴らしてみると、みなさんこちらにいらっしゃいます。僕はいろんな国の雌のキジが好きかも知れない。夕方になり日が沈むところで、自分が方角を勘違いしていたことに気がつく。列車はいつも東西に走っているような気になっている。星が見えだして、自分の真上を何と呼び指せばいいのか知らないことにも気がつく。いろいろ分からないことが多いみたい。それがまた楽しいし、嬉しいような。