2009-01-01から1年間の記事一覧

花の名前

夜、同級生でもある作家たちと今年を振り返る。みんなの作品には実は共通点があって、それは一体どういうことなんだろうね、という話をしてみる。トマス・デマンドとも、フィシュリ&ヴァイスとも違う彼らの蒔き直し。なかなか上手く伝わらないけれど、原因…

あの川の…

100年前にもあったという終わらない旅について思いを馳せる人があの川の家に。一瞬、Criticの歌う"Everybody hurts"が聞こえたような気にも…。気のせいかな。そう、日々には絶えることのない実践を。冬の日には舟を漕いで、旅はこれから、これから、ですね。

水戸であれこれ

水戸芸術館へ。ボイスについての展示の途中で、遠藤一郎氏の『愛と平和と未来のために』という20分ぐらいの映像作品。何度も繰り返される「行くぞ」の声がきっかけとなり、直接的に『アトムの最期』と重なってくる。同時に、Elvis Costello & The Attraction…

浜辺のあれこれ

最終日に『アニエスの浜辺』を観る。アニエス・ヴァルダの記憶へ向かう言葉がとても美しい。「記憶はハエのように…」、送り返された手紙、送り返した手紙。夜になれば、長い時間を知ったから短い時間のこともより知ることが出来るような気がしました。 海岸…

雲の奥の月も

雨の止んだお昼には『あの言葉の君はどこへ行ってしまったの?』についてのとてもいい言葉が思いついたけれど、夜になればいつの間にか忘れてしまっていました。いまは思い出せずも、やがてひょんなきっかけで思い出すかもしれないし、また別の言葉が思いつ…

そして『愛について語るときに我々の語ること』

先日、愛知の尾北看護専門学校で『迷いの森』の実践を行いました。 昨年から数えて三度目の本の交換。 重ねることによってわかることもあるのかもしれません。 授業後は手羽先を食しながら、市川氏とふたりで今後に向けてぼんやりとした話し合い。 10年重ね…

『迷いの森』

当日の授業風景(ビデオより)

「願わくば、まもなく、もう少しおもしろいことが起こりますように。そうなれば、いいな。」「じつはこれというようなことは起こらなかったのだ。あれは無気力と些細な計画の実行に時間をかけすぎた、いわば放浪の期間とでもいえばいい。一九八〇年には一日…

木下自転車店 

山形で自転車を買ったら、家まで配送してくれるのでしょうか。 夜中に山形の木下自転車店、店主から嬉しい報告が届く。 彼はいつも僕の何千マイルも先を歩いているようで、いつも驚かせられてばかり。 これで寒い季節にも花が咲いたり、「猫がニャ〜て、犬が…

入力 

しっかりと風邪をひいた週末は、行きたかった友人の展示や食事会にも行けずに入力作業を。 しかし、かなりの人数の手書きの文章…。 読んでみればいろいろと考えてしまうもので、時間ばかりが過ぎていきます。

周りにもいくつもの山が

周りにもいくつもの山があって、それぞれの場所から見えるものはきっと同じではない Elizabeth Peyton: beautiful people Art in America | Feb 2009 | Tscherny,Nadia Elizabeth Peyton's detractors.(Letter to the editor) Art in America | May 2009 | E…

明日かもしれない

・ 「砂漠にあっては、全てを望まずとも一滴の水でさえ美しく喉を潤す」友人はそのようなことを言うけれど、それは家路へと向かうための車、戻るべきいくらか大きめのベッドを前提に言っているようで。とても抜け出すことが出来ないように思える砂漠では、コ…

・・・

・ 帰宅すると、郵便が届いている。たっぷりと膨らんだ封筒。差出人の名は書かれていない。切手がいくらか不足している、との通知も一緒。押してみると柔らかい。開けてみるとこれは嬉しい。10月の星空を楽しく過ごせそう。 ・・ どこへ行くの セリーヌあな…

やっと聞こえる大きさで

とても控えめに林の中から曇り空に新月を探して、しばらく座って、すこし歩き回って。通りがかった七尾旅人の短いライブを遠巻きに見る。他のお客も通りがかりのビールを飲む人々、それぞれに楽しく。再び耳にする『どんどん季節は流れて』。隣の男の子が女…

carry that weight

アビー・ロードと斜面、ポール・マッカートニーが歌う「重さ」ではなくとも、背負うべき荷には然るべき重さがあって。機材、夜をやり過ごす道具、食べ物、水…。もちろん必要なものだけでいいのだけど。必要なものにもやはり重さがあるわけで。それでもポール…

「英雄を謳うまい」

妻有、大賑わいの里山、大規模な展示。ある種の美しさを謳い過ぎているのではないか(もちろん尊いには違いない)、と思うこと多々ありつつも、それを口に出したらいけないような、そんな抑圧を感じながら歩き回る。教会と大学を中心に配した地方都市で10年…

海賊が音楽家を仲間に入れる理由

・西 『pink moon』 彼はJames TaylorとLoren Connorsの間で美しく弛緩したオープンチューニングのギターを爪弾く。「海賊が音楽家を仲間に入れる理由がわかった」とは、大学の先輩が彼と僕の男三人で西荻窪の川沿いを歩いていた時に漏らした言葉。大阪で何…

海へ向いて、山へ向いて

この八月は海へ行ったり、遠くからきた友人たちを芝生へ案内したり、山へ行ったり、ひとり梯子を上り下りたり、須賀敦子さんの文章に深く頷いたり。忘れられそうにない強い雨に濡れたりもしました(そのあとよく晴れた)。 春に名前を知ってから何度も目にし…

深く迷い込むためには

一車両分の長さが足りない駅のホームを横目に、隣り合う蕾が違う色の花を咲かしているのに感心したり、まるでミュンスターのアー湖の側の静かな道を思い出すような場所に迷い込んだり。でも、歩いていると何処へかちゃんと辿り着いてしまうから不思議なもの…

すべての火は火

積み重ねの後先、その一瞬に花が咲いていることがある。 その場にいた人々はそれを見た。でも、それはほんの一瞬の出来事。振り返ってその話をすれば、覚えている人もいるし、もちろん忘れている人もいる。大事にどこかにそっと置く人もいれば、忘れたがって…

same time, same place

6月、7月と続いた東海地方への旅が終わりました。愛知での2回の授業では多くの反省と確かな収穫も感じつつ、締めくくりは3年目の「同じ時分の同じ場所」へ。トリュフォー『アメリカの夜』のように集まってはさよならを。あの映画の中でトリュフォー扮する…

『風をつかむ』(7/8実施)について

『風をつかむ』 掖済会名古屋看護専門学校(名古屋) 内野清香、市川秀之、藤村豪 7/8(水)に『風をつかむ』を愛知県の学校で行います。『あの言葉の君はどこへ行ってしまったの?』、『迷いの森』に続き、授業に参加する学生の言葉を端緒に考えられた行為…

『迷いの森』のために(舞台を整える)

6/26の授業開始前。使用する講堂で照明、映像、椅子の配置などを調整。僕の忘れ物(テントの支柱)のせいで予定通りとはいかずも、シンプルで美しいところに落ち着いたようです。

『迷いの森』のあとで

授業翌日、生徒のみなさんに書いてもらった授業の感想を読みながら、つれづれ話し合い。当日を振り返れば反省と疑問が多々ありましたが、『迷いの森』(本の交換)自体は非常に美しい行為になりつつあるようです。また改めて報告が出来ればと思います。

『迷いの森』のために(いくつかの映像)

今回の『迷いの森』ではいくつかの映像が使われる予定です。会場として使われる講堂では、テント、鳥笛…、その他いろいろなものも登場するかもしれません。

『迷いの森』のために(40冊の本)

いくつか作る予定のある本ですが、これは6月26日の授業で使う本です。生徒が見た夢の話が収められています。今回は内野さんと一緒に作ったのですが、去年ひとりで作った本よりずっといいものが出来たのではないか、と。

「バビロンを夢見て」

朧気な白い月、あれは満月か、とてもきれい。七月の予定が埋まっていくけれど、誰も知ることのないような類の、それまでにやらなくてはならないことが多々あってくらくらします。魂のゆくえは一体どこへ。「バビロンを夢見て」ばかりでは、日が暮れてしまう…

『6つの部屋』/『迷いの森で』

内野清香 「6つの部屋」明日で最終日です。とても登れないような山に、私たちは一体どのようにして登るというのか。興味深い展示だと思います。まだ見ていない方は、お見逃しのないように。 内野清香『6つの部屋』「深夜、森で」より 内野清香の初めての個…

『山と、山積みの言葉と』のために?

去年、山形で出来なかったこと。今年こそは何処かでやってみたいものです。

どんどん季節は流れて

七尾旅人の「報告会」と称されていたライブ、延々とみんなで歌うことになった「どんどん季節は流れて」というフレーズについて。夜に家から江戸川、江戸川から家を走ることについて。優しい友人、残酷な友人について。新しい三脚(もう少し軽いの)を探すこ…