松戸の土曜日。まず、猫の爪を切りたくて何時間もやりとりしたけれど、うまくいかない。あの爪切りの形がいけないのだろうか。つぎに、小さな裏庭に出て長い間放って置かれた植物たちの調子を気にする。ひと月分の時間が過ぎるということに対しては「早い」や「遅い」という言葉は適当ではない気がするけれど、相対的な長さというものはきっとあると教えてもらって、大きいの、小さいの、それぞれに順番に水を与える。使われていない鉢がいくつかあるので、何を蒔こうか考える。重なって育つ楓と南天は、背の高い南天の葉から色が付き始めている。


 夕方には松戸の伊勢丹へ。駅前のデッキでは『森の情景2』というイベントが行われていて、引き算の音楽が鳴っている。舞台の印象的なデザインで、BankARTに通っていた6月頃にも同じ催し『森の情景』が行われていたことを思い出す。ぼうっと聴きながら、係の人が渡してくれたリーフレットを読んでいると、どうやら11月に『松戸アートラインプロジェクト2010』という展示が行われるとのこと。同時期にスタジオプログラムに参加していた方の名前も載っていたのでとても楽しみ。あまりに熱心にリーフレットを読でいたからか、係の人が戻ってきて説明をしてくれる。それは奇しくも、今年方々で実感したある種の傾向のことについて触れたもので、聞かされて残念な気持ちになるものではあったけれど、それでもきっと何かを浮き彫りにしていたような…。