2009-01-01から1年間の記事一覧

『わかるはずがないことを、わかりたいと思うこと』

内野清香『6つの部屋』展 (2009.5.9〜5.30 art&river bank )に関して、『わかるはずがないことを、わかりたいと思うこと』という短いテキストを書きました。どこかで見つけられた方は箸休めにでもお読み下さいませ。 内野清香 「6つの部屋」 会場: アート…

君たちは知り合いだったのかい?

月曜日のお昼、公園で。見かけない蝶がふわふわ飛んでいて、やがて僕の周りを行ったり来たりして。僕のリュックと同じ色づかいの蝶。長い時間、親しそうに留まっていたのは、昨日そのリュックで花の間を通り抜けた残り香がするからなのか。 それとも君たちは…

やはり土曜の夜に

いつのまにかメコンウィスキーにはびっくりしなくなっていたけれど、このぼんやりときたら、車を気にしすぎていつまでも道路を渡ることが出来ないことに似ているような。そういえば土手からなかなか直線的に横切れない多摩堤通り沿いのart & river bankで行…

『川崎/大田区』

明日、20日(月)からはやはり同じクラスだった相模智之さんの写真展『川崎/大田区』が。写真の圧倒的な量と作品がこれだけの親和を見せている作家も珍しく、一体どんな展示になっているのか非常に楽しみです。みなさんも、ぜひ。

『動く山』

昨日、土曜の夜は友人の進藤環さんの『動く山』展のオープニングへ。遅れて着くと、そこは土曜の夜の賑わいで、TEGUMIの料理も完食間際。ゆっくり見たり考えたりする時間はなかったけれど、印象的な三部屋を使った展示。また日を改めてじっくり見に行こうと…

エミリィ・ディキンソン

エミリィ・ディキンソンの詩集を新たに何冊か手に入れる。訳によって印象も大きく変わる。学生の頃、授業で吉増剛造さんが紹介していた作品には出会えず。あれは吉増さんが訳したものだったのか。記憶で色が重なってしまっているのか、もはやあやふやにしか…

Inaugural Trams

Super Furry Animalsの新曲がやはり素晴らしい。いつも素晴らしいし、そして優しさとユーモアで溢れている。"Dark Days / Light Years" こんなタイトルは優れたポップ・ミュージックにしかつけることが出来ない類のものでしょうね、きっと。The Kinksの"This…

土曜の夜から日曜の夜まで

土曜の夜から日曜の朝まで 土曜の夜から日曜の朝まで新文芸座でトリュフォーのドワネル・シリーズ五作品を通して見る。昼間のSkypeの疲れか、少し恥ずかしくなるぐらいの反復が朝方まで続いたせいなのか、結局どの作品も少しずつ眠ってしまう。それでも、高…

土曜日の昼

こんなに良い天気なのに愛知の人々とあの続きの6月のことについてSkypeで会議中。寺山修司はこんな季節に生まれたのかしら?知らないものに自分の知っている限りある名前で呼びかけてみる、それはつまりどういうことなのだろう。暴力である一方で、とても切…

まぶたの裏で

ひょんなことから、ひょんな一日の終わりへ。たいていのことはひょんなことがきっかけです。一日の終わりがあったのだから、その日がなくなったわけではないのだと思う。その日に叶わないことについては、とりあえずはその日の夢に浮かべましょう。そう、僕…

春の山の形に…

延々と列車に揺られて山形へ向かう。乗り継いで、乗り継いで。乗客の顔ぶれになかなか変化が現れないので、車内はいつのまにかそれぞれの旅情のようなもので満ちてくる。「がたごと」と揺れるから、考えることは途切れ途切れになり、感傷の持ち合わせも奥へ…

あの象

そういえば、あの象が鳴くことに気がつきました?友人の聞き取りによって表すには「パオーン」とのこと。確かめられたし、花のお茶も飲んで満足。春の新宿御苑はやはり楽園で、三月の日差しとビアでうとうとするのは素晴らしい。浮かれていても、浮かれてい…

ハロルド・ピンター

ピンターの戯曲に相応しい場所はそう簡単に見つかるわけもなく…。

雨がたくさん降る夕方、夜霧やゴルフやジャガイモ、そして遠くに象がいる展示へみんなで行く。美術館を出て、空を見上げると、雨の降る中にぼんやりと月が。決めるつもりの毛頭ない僕らの組み合わせがたどりついたのは、入るつもりのないような居酒屋。大小…

幻想の山形

去年の夏に山形へ行き、長い時間DVカムを回していた。今になってそれを編集しているところ。もはや誰も思い出せないに違いない、何でもないけれど、奇跡的に面白い会話の数々、手に入らないはずだったグリーンカレーのペースト、椰子の木に登っている人、モ…

attic

attic_02 「教育学研究者と写真の話をする」 Waseda univ. 2007.06 attic_01 「水戸を思い出しながら写真のことを考えてみる」Inogashira park 2007.05 2007年の暖かい季節に2回程行われたあの催し*1のこと。 いつのまにか、すっかり忘れていたのですが、今…

燈台/灯台へ

V.ウルフ『燈台へ』(伊吹知勢訳、みすず書房)にはとても大切なことが書かれている。いまごろ『ドイツ・イデオロギー』を読んでいる彼や、五月に展示を控えている彼女、そして僕が去年いろんなところで考えていたことについて。自身との同一を求めるための…

ペーパープレーン

この日のことについてファイルが出来たので読みたい方がいれば、 こっそりお声をかけて下さい。 機長−! 飛行機は行方不明になりました。 世界卓球大会に参加予定だったあの子供達… 昆虫採集が老後の楽しみだった老人達… どこへいってしまったのか… 大切なこ…

ファイルのこと

「meeting」 昨年行ったいろいろについて、まとめの作業がいよいよ終わりそうです。しかし、まったく時間がかかりすぎてしまいました。 教育学の研究者である市川秀之と、写真とテキストによって制作活動をする作家の藤村豪が、2008 年11月11日に市川氏が尾…

ゴムボート

先日のこと、新進の作家が僕の部屋へ作業をするためにやって来ました。何をしたかは、上の写真からは想像もつかないこと。自分が思いもしないことを目の当たりにするのはいつだって素晴らしいこと。完成が楽しみです。 舟を漕ぐ。港から出発したわけではない…

アントワーヌ・ドワネルのこと

「梯子を上る、それを眺める 」(2008) ついぞ、理解されることのなかったドワネル。それを求めずに、いつも走り去っていたドワネル。彼のために僕たちに何か出来ることはないのだろうか。よくよく考えてみることにしよう。 Jean-Pierre Léaud - TV intervi…